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春から過激ですいません!

3/1
  なにぶん大きな矛盾を含んだものを書くことになってしまうことをご容赦願いたい。
 今回は公立図書館のことについて申し上げたいのだ。日本ペンクラブ会員でもある僕は出版業界の万年不況に関してどうしたものかと思ってしまう。
子供の頃から図書館は便利で利用している。いまも利用している。本を書く時の資料集めの第一歩は図書館だ。図書館は知の原点だったり知の貯蔵庫だったりする。知の百貨店でも知の森でもいい。人類が積み上げて来た知ときっと感性も図書館にある。ローマ時代から図書館はそうした存在である。
 引越のたびに苦汁の思いで図書を捨てる。捨てないとどうしようもない。大作家や大金持ちでないので、図書だけの部屋を持つだけの余裕はないし、そのために書庫を借りたりするつもりもない。10年読まなかった本は読まないものだと思って捨てることにしている。幸いなことに捨てた本で、ああ捨てなければ良かったと思っている本もない。捨てるくらいなら図書館を利用する方がいいではないか?ということになる。で、利用するのだ。
20080104_460489.jpg でも最近の図書館に違和感を感じている。前に練馬にいるときには、最近のポップ歌手のCD、大ベストセラーなんかもおいてある。いまやダウンロードの時代だから、CDなどはダウンロードできれば、買わなくても音楽を存分に楽しめるわけだし、まあ、小説も1回読んだらそれきりというわけだから、図書館で借りるのもいいと思う。便利でエコで経済的だ。利用者にとっては…
img_370401_10544717_0.jpeg 家の近くの下馬図書館

 昔が懐かしい。僕の小学生のころには、貸本屋というのがあって、お金を払って本を借りたものだ。流行作家の本等はそこで借りるものだった。いまはそれがすっかり図書館になっている。ちなみに、僕も時おり利用させてもらったりする。今日も「下町ロケット」をやっと読みたくなって、図書館のデータベースにアクセスしたら、世田谷区全体で950人以上の人が予約待ちだということだ。それ以上に驚いたのは、世田谷区の図書館全体で「下町ロケット」を75冊も所蔵していることだ。世田谷区は予約ができたら1週間図書館で取り置き2週間で1回転する3週間というのが原則である。きちんと返してもらい、うまく廻ったとして、下町ロケットが僕のところに貸し出されるのは、おおよそ13回転してからとなる。つまり39週後。早くて年末。おそらく2013年ということになる。気の遠くなるような思いがしたことと、無料で読めれば、ずーっと先でいいってことかあって思った。
 ちょっと調べてみようと「1Q84」を調べてみたら、2009年のBOOK1は通常版だけで85冊所属している。これ以外に、大活字版とか、ハングル語版とかいろいろと所属している。それらが未だにフル活動で貸し出されている。
38750_s-9_20070330163834402_20070330173156115_20070402150034106.jpg 超立派な世田谷区砧図書館(成城のそばだからね)

 ちなみに世田谷区の図書館の数は16館である。つまり同じ本をひとつの図書館で5冊以上もっていることもあるわけだ。これはちょっとおかしくないかなあと思った。貸本屋さんみたいだと思ったのだ。ニーズがあるから本を数多く置くってのは貸本屋さん。無料で公立の貸本屋さんみたいだと思った。これは公立の図書館の役割なのか?と思った。

 塩野七生さんが、そういえば、フリーで書き下ろしの作家は、本を買ってくれる人がいることで支えられているとどこかの本で書いていた。僕の場合は、出版の契約をすると、初判は1万部といったこと、印税は10%といった契約を結んでもらう。これで、1200円の本であれば、120円×1万冊=120万円の収入となる。
 塩野さんなんかは、年に1冊精魂込めた作品を送り出してきて、1冊2000円として10万部の初版だとして2000万円かあ。きっと半分は取材と資料代とかで消えていく。安すぎる。安すぎるなあと思った。
 僕だって印税は安いと思うもの。もちろん、20年くらい前に初めて書いたときは嬉しかった。自分の名前の本が本屋さんにあって、それを見つけて喜んだものです。まあ、10冊目くらいからは、そのような感激はなくなってしまったけれども。今も出版の話は進めている。本を書く事は僕のようなものにとっては絶対に必要なものだから。
 資料を買い求め(図書館だけでなく)取材に行き、必死になっておおよそ300枚の原稿用紙に文章を書く。僕にとっても本を書く事は決して割のいい仕事ではない。さらに出版社は印刷した時点で支払う義務もあって大変なのだ。そういうこともあって電子図書みたいなものもできてきているんだろうけど、ああいう印税はどうなるのかな?特に電子図書のみということになったらどうなんだろう?
 もちろん本を書く事は金のためにやるわけではなく、書きたい事があるから書くってのが第一義だし、僕は者を書くことだけで生計を建てているわけでもないのでいいのだけれども、物を書く事だけで生計を立てている人にとっては死活問題だし、いよいよ大変な時代だ。
 気軽に書いたツイッターやブログをそのまま本にしてくれるのならまだしも、例えば、売れたら幾らといったことになると、本を書くものにとっては収入源としてはますます厳しくなるのではないか?いろんなことを考えてしまう。
 作家の中には、現在の公立図書館のあり方について疑問を呈する人が少なくない。多くの本が貸本屋のように貸し出されているために本を買う人が減る要因につながっているのではないか?という。本を買う人が少ないという事は出版社に入るお金も、巡り巡って作家などの著述者に入るお金も減る。
 これは文化の破壊でしかない。けしからんというわけだ。そう怒らなくてもと思うけれども、著述だけで生計を立てているプロの書き手にとっては至極当たり前の主張でもある。

 でもね、やっぱり図書館は便利なのだ。エコだし。
 
 便利でエコ。それに本を買う金もかからない。でも、文化の創造者である出版社や著述者にも納得できる解決策はないか?
 
 僕は思うのだけれども、これだけ財政赤字の時代なのだから、例えば出版されて5年までの書物に関しては図書館で貸し出すのは有料にするってのはないのかなあ?
 例えば、出版後1年間は、定価の2割。それ以降は1割で5年目までってのはどうだろう?遅れた場合にはもちろん課徴金も取る事にして。それを出版社と著述者に分配するってのはどうだろう?
 そう、カラオケのシステムと同じように。
 本は印刷されないけれども、出版の文化も著述者の生活も守れると思うのだけれども。
 それから、原則1図書館、1冊でしょう。同じ本は、やっぱり。おかしいでしょう。5冊以上ってのは…
 
 友人の小説家から聞いた話だけれども、九州のある大手書店では、この本、図書館にいくと、いま7ヶ月で借りられますみたいな表示をして本屋で売ってるらしい。なるほどと思った。

 僕も図書館は利用させてもらってますし、便利でいいシステムだと思うのだけれども、いまの形の無料の公立貸し本屋みたいな図書館はやっぱりちょっと違和感がある。ひとつの本を1000人の人が読んだとしても、出版社や著述者には1冊分の恩恵しかないのはおかしい。

 借りている自分が言うのもなんだけど、ね。ほら大いなる矛盾をはらんだ文章でしょう。どう思います?

 ちなみに、僕の著述は世田谷図書館には、全部で13冊所属されていました。最新刊は経堂図書館に1冊。23153_02-01kyoudou1.jpg 経堂図書館

これで、自由が丘の人も予約をすれば、近くの図書館に送られて借りる事ができる。ま、これは健全だ~と思った。いまも借りている人がいます。ありがとさん。
 
 あと、ブックオフってのも同様の問題を孕んでいるわけです。

 図書館や古本屋さんと文化の創造者とビジネスが共存できる世界でありたいですね。
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佐藤治彦 Haruhiko SATO

Author:佐藤治彦 Haruhiko SATO

さとうはるひこ Haruhiko SATO
経済評論家+α
詳しいプロフィールはこのブログのカテゴリーからプロフィールを選んでごらん下さい。経済や金融を中心に90年代初頭から活動してきました。40代初めにセミリタイアし今は本当にやりたい仕事だけを選んでやっています。また、演劇活動にも力を入れました。台本書きや俳優としての仕事などもお待ちしています。
 仕事の依頼
 佐藤治彦に対する仕事の依頼は、佐藤治彦まで直接ご連絡頂ければ対応いたします。連絡方法は、Facebookの佐藤治彦個人のページからメールで送って頂くのが一番だと思います。もしくは、Twitterを通して連絡を頂ければこちらから連絡します。
 また、マネージャーなどが入った方がいい場合やなかなか連絡が取れない時などは、CAST+ キャスト+ 東京都港区赤坂 6-4-19-5F 電話03-3589-8011(担当田嶋)までご連絡いただいても構いません。ただし、予算が限られている時には直接僕に連絡下さった方がいいと思います。



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