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1979年の教訓

2/12
 

ムバラク大統領が辞任した。20万人、時には100万人の大集会が連日報道された。言論の自由の制限や長期政権における独裁はそりゃだめだ。エジプトの情勢は僕らの常識からいえば、民衆支持である。しかし、僕には忘れられないことがある。それはもう30年以上前の1979年のイラン革命である。当時のイランはパーレビ国王の長期独裁政権で、自由な言論もなかった。しかし、民衆に支持されたとされるイラン革命の後に待っていたものは何か。
 それは、イスラム原理主義によるさらなる独裁的な国家統治であった。
 そこに、言論の自由はない。教義による多くの戦争や紛争があり多くの人が死んだ。女性の権利も制限されたままだ。貧富の格差がなくなったのかというとそうでもない。報道によると、イスラム原理主義による表のイランとさまざまな欲望が解放されている一部の層だけが楽しめる裏のイランがあるともされている。01egyptch_1-custom13_convert_20110207021229.jpg

 イランはイスラムの宗派の対立を起因とする戦争でイラクとの長い無益な戦争があった。それは、私に言わせればイラン経済の疲弊を招き、クルド人弾圧やクェート侵攻ということまで選択してしまう方向にイラクを追い込んでしまった。フセイン大統領は確かに独裁者でとんでもないやつだったかもしれないが、アメリカから武器を供与されるくらいに西側諸国とうまくやっていたし、言論の自由も政治活動の自由もなかったが、イラクは安定し人々はそこそこの生活ができたことも間違いない。いまのイラクの現状をみると、果たしてフセイン時代といまのイラクとどちらがいいのかというと、私は何とも言い難い思いをもってしまう。
 もちろんアフガニスタンの現状にも影響している。イランよりさらに過激なタリバン政権がどれほどの残虐性をもっていたのかを考えるとおそろしくなる。01egyptch_1-custom7.jpg

 
 20万人、最大で100万人とも言われる人たちがムバラク退陣デモに参加した。ただし、エジプトの人口は8000万人いるから、おおよそ100人にひとりくらいだろう。もちろんものすごい数であることは分かる。しかし、それがイスラム教の宗教政党の支持者たちが中心ということになると話は別となる。私はイスラム原理主義が中東の超大国エジプトに誕生することを心から怖れる。

 取りあえず軍が全権を掌握したという。
 
 私は、エジプトが穏健なイスラム国家であり続けることを望む。コプト教をはじめとしたキリスト教徒もそこに生き続けることができるのだろうか?民主的な形でイスラム原理主義の西側の人権無視の強権国家が産まれるということも民主的なプロセスさえあればいいのだろうか?無邪気に30年間の独裁政治に反対した人も少なくないのではないかと思う。西側のような民主主義国家を求める人も、弾圧されてきたイスラム原理主義によるイランのような国を求める人もムバラクに反対したという事実を忘れてはならない。

 いづれにせよ、今までのような親米国家ではなくなることは間違いない。中東圏で人口の25%を占める大国家が今と比べれば不安定化するのは間違いない。イスラエルと和平条約を締結していたエジプトが不安定化すると、イスラエルはいよいよ凶暴化、核の選択も可能性も入ってくるのではないかと怖れてしまう。
 エジプトへの対立のために、もしかすると、パレスチナ問題には柔軟に対応してくれるかもしれない。だって、そりゃイスラエルにとってパレスチナよりも対エジプトの問題の方がでかいから。

 いづれにせよ、このドミノ現象が中東全体を覆った場合いったいどうなっていくのか?
 
 僕はムバラクの独裁国家を是認するものではないが、より悪くない選択だったのではないかとも思っているのだ。さらにそこに住む人にとって残念な国家にならないように。中東の平和にプラスになりますように。

 少なくとも僕らは無邪気に良かった良かったと思うのではなく、今後の動きを注意深くみていかなくてはならない。
 
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佐藤治彦 Haruhiko SATO

Author:佐藤治彦 Haruhiko SATO

さとうはるひこ Haruhiko SATO
経済評論家+α
詳しいプロフィールはこのブログのカテゴリーからプロフィールを選んでごらん下さい。経済や金融を中心に90年代初頭から活動してきました。40代初めにセミリタイアし今は本当にやりたい仕事だけを選んでやっています。また、演劇活動にも力を入れました。台本書きや俳優としての仕事などもお待ちしています。
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