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ひとつの頂点を迎えた新国立劇場オペラハウス

 長年オペラを聴き続けて来た自分にとって、そのピットから流れる芳醇なサウンドがつい10年数年前まではオーケストラというよりも楽隊であり、低予算だからこそ使われるオーケストラの代表格であった東京フィルと新生日本交響楽団が合体した現・東京フィルのサウンドとは思えなかった。つややかな弦。叫ぶだけないいぶし銀の音も出す金管。そして、そのハーモニー。
 ヨーロッパのオペラハウスにも十分匹敵できる素晴らしいサウンド。そして、舞台上で繰り広げられる演出、歌手の素晴らしい歌声。これが、日本のオペラハウスなのかと耳を疑うばかりだった。それが、ジョナサンミラー演出のリヒャルトシュトラウス作曲の「ばらの騎士」、そしてヴェルディの遺作でありコメディな「ファルスタッフ」なのである。何十年も前から歌い、疲れた声しかもっていない有名歌手でない分、旬の歌手を数年前に押さえたのだろう。めちゃくちゃいいのだ。そして、演出はモダン。でも見る側の許容範囲を飛び越えていない。だから、刺激的であるだけ。
 ロイヤルオペラでみた「ばらの騎士」よりも数段良かった。演出が粋でオケが数段良かったのです。ウィーン国立歌劇場のレベルとも比較できるくらいエロな音の洪水。ホントオペラってセクシーなんよ。これ以上の演奏は、メトロポリタンオペラで聞いたカルロスクライバーのバラしかない。それほど素晴らしいものが、1万円くらいのチケットで聞けた奇跡。それは、ファルスタッフでもいっしょです。日本人キャストも含めてなんていいんだろう。ミラノスカラ座、ロイヤルオペラ。世界中できいてきたこのオペラの豊かな経験と匹敵する大ヒット。
 こんなことは5年前は考えられんかった。世界レベルのオペラです。もちろん、バラでは欧米でも実力者として筆頭のペーターシュナイダー(初めて聞いたバラの騎士はもう20年くらい前のこの人が指揮をしたウィーン国立歌劇場来日公演でした。もう30年近くもオペラの職人としてトップにいる人なんです)が指揮をしたということもあるだろうけど、きっと彼もこのサウンドをオケから生み出したことにきわめて満足だろう。そして、ファルスタッフはダンエッティンガー。バレンボイムの秘蔵子である。こういう真の実力派を呼ぶ品のよさ。いやあ、今の新国立劇場は世界のオペラハウスと匹敵する素晴らしいレベルにあるのです。それもチケット代が安い。
 新国立劇場は二国と言われて、作られるまで何年もごたごたし、できたあとも間もなく10年に成ろうとしているがごたごたしてきた。東洋で唯一欧米のオペラハウスに対抗できるこの劇場のトップに、この3年はウィーン国利歌劇場でも働いたノボツラフスキー氏がいた。それまでの日本のオペラ制作の悪しき平等主義や20世紀どころか19世紀風な博物館的なオペラ制作を排し、現代に生きるオペラハウスへの道筋をつけた。その上、前任者が行った途方もない予算をかけた無駄遣いオペラに対してもメスをいれた。この人のおかげなのに、なんとクビなんだよね。
 来シーズンからは若杉弘さんがなさるのだけれど、この清新で質が高く現代に生きるオペラハウス路線を、有象無象の駆け引きと既得権益でものごとが決まって行く日本のオペラ界の悪習を絶つことができるのか極めて心配している。
 
 いま言えることは、今の東京このオペラハウスがひとつの頂点を迎えたことが確かだということだ。
 
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佐藤治彦 Haruhiko SATO

Author:佐藤治彦 Haruhiko SATO

さとうはるひこ Haruhiko SATO
経済評論家+α
詳しいプロフィールはこのブログのカテゴリーからプロフィールを選んでごらん下さい。経済や金融を中心に90年代初頭から活動してきました。40代初めにセミリタイアし今は本当にやりたい仕事だけを選んでやっています。また、演劇活動にも力を入れました。台本書きや俳優としての仕事などもお待ちしています。
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