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松本へ

8/31 松本市で毎夏開催されている、サイトウキネンフェスティバルに日帰りで出かけてきた。今回で4回目、いや5回目だと思う。
pickup_01.jpg 前は松本市民文化会館で上演されていたんだけれど、今はまつもと市民芸術館という世界に誇れる素晴らしい劇場もあって、長野県の、いや日本を代表する素晴らしい芸術創造の場所になっている。さぞかし維持には大変だろうが、文化を支えるのは市民と企業であって欲しいと心から思う。
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PK2013081902100146_size0.jpg このフェスティバルの素晴らしいところは、オペラに関してはあまりオペラハウスでかからないような作品を取り上げるところ。僕がこの松本で見たオペラも、プーランクの「ティレジアスの女房の乳房」、「カルメル修道会女の対話」「ヴォッエック」と渋いものばかり。できるだけ現代に近い、魅力的なのに上演されない作品が多く上演されるのが特長。でも、今回出かけたのはそういう理由ではない。小沢征爾の姿を見に行く事だ。小沢征爾、誰もが知ってるアジアを代表し欧米の音楽界に切り込んでいった初陣だった男。野茂英雄に重なる。僕がクラシック音楽を聴くようになったのは親のおかげだ。幼い頃から、クラシックのレコードが家にあり、自由に蓄音機を触らせてくれ、母は夜なべして内職をしてピアノを習わせてくれた。僕は小学校4年生のときなどは音楽の時間の冒頭を担当させられ、僕のピアノ伴奏で歌を歌ってから音楽の授業が始まるといった感じになったくらいだったのだよ。
 そういう下地があったところに、TBSテレビの日曜のお昼直前にあった名物番組「オーケストラがやってきた」。山本直純司会であった音楽の面白さを伝える番組だったが、それこそ、小沢征爾サンがしょっちゅう登場し、音楽の面白さを教えてくれた。小澤サンの友だちということもあって、世界的な音楽家が続々出演。例えば、アイザックスターンが、日本のオケに、若者にボーイングを教えるところなんか面白かったな。
 テレビで見ているだけではガマンできない。高校2年だったかな。小沢征爾サンがボストン交響楽団の音楽監督になって、名ピアニスト、ルドルフゼルキンをソリストにして来日。小澤氏の師匠である斉藤秀雄先生直伝の、ブラームスの交響曲3番とピアノ協奏曲1番という演奏をきいた。学生席2000円だった。感動してコンサート会場から帰りたくなくずーっと居残ったくらい。あれから35年くらい。僕は毎年何十、何百というコンサートに生き続けている。一流のものだけ。行き続けている。チケットを買うために働いているといってもいいくらい。
 その小澤サンがガンに倒れて必死の闘病をされてもう何年になるのかなあ。最後に聞いたのはもう何年も前のはず。東京のオペラの森の「タンホイザー」「エフゲニーオネーギン」いや、同じくサイトウキネンの「ヴォッエック」あたりだから、4年か5年になる。77才の小澤さん、1回1回のコンサートが命がけである。今回は初日に天皇皇后両陛下も来臨し、小沢征爾さんの業績を讃え、病気快復を応援した。
 31日はその千秋楽だった。小澤サンは前半の「子どもと魔法」を指揮。思ったより元気だった。想像以上に若々しかった。そして、指揮をしたあとに、オーケストラのメンバー全員とひとりひとり時間をかけて握手していた。出演者も合唱団に至るまでねぎらった。これだけの人がこれだけ人を大切にする。だから、みんな一緒にやりたくなる。僕は手が痛くなるまで拍手をし、大きな声でブラボーと言っていた。それは、今日の音楽に対してでもあるのだけれど、僕に音楽のある人生を授けてくれてありがとう。35年間素晴らしい音楽を演奏してくれてありがとうという意味もあった。後半の「スペインの時」も堪能。ラベルの上演される事がほとんどない二つのオペラを楽しんだ。終焉は6時15分ちょい。6時35分発のあずさで新宿に戻った。大急ぎで戻った。僕は小澤サンにエネルギーをもらった。このエネルギーをこぼさないようにして今年の残りを頑張りたい。
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佐藤治彦 Haruhiko SATO

Author:佐藤治彦 Haruhiko SATO

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